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咳外来

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長引く咳でお困りの方へ

咳(せき)は西洋・東洋問わず、世界中で患者さまが医療機関を訪れる頻度の最も高い症状の一つです。

咳の原因は、自然に治ってしまう普通の「かぜ」から死に直結する心臓病、肺癌まで様々です。原因が死に直結しない疾患であっても、咳をすることは大きなエネルギーの消費となり、患者さまのQuality of Life(生活の質)の低下は著しいものです。咳のために夜間の睡眠が妨げられたり、仕事の効率が悪くなったり、周囲の人に不快感を与えたり、またそのことが気になりストレスを感じる人も少なくないはずです。

短期間(1~2週間程度)で治ってしまう咳ならあまり気になりませんが、何週間も咳が長引くとそれから早く解放されたい一心で、医療機関に来られます。胸部レントゲン写真や胸部の聴診で異常所見が認められる場合の咳の原因診断は比較的容易ですが、これらの異常を認めない場合の診療は容易でありません。特に、一般臨床医(開業医や一般病院の勤務医)はもちろんながら呼吸器の専門医でも診断に困るケースが多いとされています。

新型コロナウイルス感染症後遺症と咳嗽

新型コロナウイルス感染症の後遺症(以下、コロナ後遺症)については2020年7月頃より欧米から疫学報告が散見されています。また、わが国では2021年6月に厚生労働科学特別研究事業「COVID-19後遺障害に関する実態調査(中等症以上対象)」の中間報告において、入院時と3か月後における咳嗽を自覚している方の割合が報告されました。入院後3か月経過しても咳嗽を自覚しておられる方が11.1~34.1%認められており、コロナ後遺症としての咳によりQOL(生活の質)低下を来たし、社会復帰の妨げになっている可能性があります。
コロナ後遺症については解明されていないことが多く、根本的な解決方法はまだ見つかっていません。

一方で、コロナ後遺症と思っていたら、実はコロナ前に罹患していた咳喘息や気管支喘息が感染を契機に病状が悪化したことを(患者さま・主治医ともに)気付かずに、コロナ後遺症と思い込んでいるケースもあるようです。

新型コロナウイルス感染症と激しい咳を伴う喘息:詳しくはこちら


新型コロナウイルス感染症と咳喘息:詳しくはこちら

咳嗽・喀痰の診療ガイドライン-2019-

院長は「長引く咳」の原因のうち最も多い疾患である「咳喘息」を専門としており、「長引く咳」の診断・治療を的確に行い、患者様のストレスの原因である「長引く咳」からできる限り早く解放されるように努力しております。
当院では「咳嗽・喀痰の診療ガイドライン-2019-(日本呼吸器学会 発刊)」に基づいた診療をおこなっております。

当院にて対応できない重大な原因疾患を見つけた場合には、適切な専門病院をご紹介しますので安心して受診ください。

奥さま手帳2017年11月号の特集ページ「クリニックファイル」長引くセキについてのQ&Aに、院長が回答しました。
奥さま手帳2017年11月号クリックするとPDFファイルが開きます
(出典:神戸新聞社読者クラブ発行 奥さま手帳2017年7月号 P.18~19)

咳嗽(がいそう)とは

概念

咳嗽は生体の防御反射で、すなわち気道や肺を防御する必須のものです。つまり咳嗽は気道に誤って入ってきた異物を排除し、気道感染の広がりを抑制するために出るものです。

多くの場合、咳嗽は急性感染症の症状として認められます。しかし、咳嗽が長引く(咳嗽以外の症状が認められない)場合や、呼吸器系以外の他の医学的問題解決が必要な場合もあります。

咳の持続期間による分類

  • 急性咳嗽:3週間以内の咳嗽
  • 遷延性咳嗽:3~8週間持続する咳嗽
  • 慢性咳嗽:8週間以上持続する咳嗽

湿性咳嗽と乾性咳嗽(痰の有無による分類)

  • 湿性咳嗽:痰を伴う咳嗽
  • 乾性咳嗽:痰を伴わない、もしくは伴ってもごく少量の咳嗽

咳嗽には、喀痰を喀出するための生理的咳嗽としての湿性咳嗽と咳嗽が一次的に発症する病的咳嗽としての乾性咳嗽があります。湿性咳嗽の診断と治療の標的は気道の過分泌が原因であり、主に去痰薬などによって痰の喀出を良くし、それによって間接的に咳嗽を抑えます。
一方、乾性咳嗽の診断と治療の標的は咳嗽そのものです。咳嗽の発生には様々な機序が報告されていますが、それらを的確に判断することによって、咳嗽を抑えます。

湿性咳嗽の診断・治療は、一般臨床医(開業医や一般病院の呼吸器非専門医)でも比較的容易に行うことができます。しかし、乾性咳嗽に対しては、一般臨床医では診断・治療に難渋するケースが多いとされていますが、呼吸器・アレルギー専門医(特に咳嗽専門医)では適切な診断・治療を行うことが可能です。

詳しくは「長引く咳」へ

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