神戸市東灘区御影中町1丁目8-3

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COPD(慢性閉塞性肺疾患)

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COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは

健康な肺とCOPDの肺の比較

COPD(慢性閉塞性肺疾患:chronic obstructive pulmonary disease)とは“タバコ煙”を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで気道や肺で炎症が起き、肺の働きが低下します。肺の働きの低下は正常に復することはありません。“長引く咳や痰”“体動時の息切れ”などの症状が徐々にあらわれ、最終的に“呼吸困難”に至るのが特徴です。 COPDは進行性・全身性の病気であり、ひとたび発症すると、患者さまはずっとこの病気と向き合っていかなければなりません。

COPDは適切な治療を行えば症状が良くなります。症状がなくても、早めに治療することで進行を抑えることができます。

自分自身またはご家族の方がひょっとしたら“COPD” かも?と思っているものの、仕事や家庭の事情でなかなか呼吸器専門病院に受診できないような方は、当院を受診して下さい。適切な診断・治療を致します。当院では「COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン」に基づいた診断・治療を実践しております。

院長呼吸器専門医であり、「COPD」の診療経験が豊富です。もし当院にて対応できない場合には、適切な専門病院をご紹介しますので安心して受診して下さい。

また、「COPD」が進行すると重い呼吸不全になります。その際に呼吸器身体障害の申請(認定)が可能な場合があります。院長は身体障害者福祉法に基づく指定医師(呼吸器科)であり、それらの相談や申請が可能です。

※COPDは以前「肺気腫」や「慢性気管支炎」と呼ばれていましたが、現在では同義ではありません。

こんな人はCOPDかもしれません!

咳・痰、息切れが長引くなら要注意!

  • 喫煙歴
    たばこを吸っている、過去にたばこを吸っていた
  • 長引く咳・痰
    咳や痰が多く、長期間続く
  • 階段・坂道で息切れ
    坂道や階段を昇ると息苦しい息切れ、同年齢の人の歩くスピードについていけない
  • 口すぼめ呼吸
    息を吐く時に、無意識に口をすぼめている

COPDの主な症状は“長引く咳・痰”“息切れ”です。よくある症状なので、風邪や年齢のせいと勘違いし、そのままにされてしまうこともあります。症状が長引くようでしたら、気管支や肺に関わる病気の可能性があるので、早期に医療機関を受診するようにしましょう!

COPDの呼吸機能低下の特徴は、閉塞性換気障害という変化が起こります。
気管支が炎症によってむくんだり、痰などの分泌物が気管支内に大量に出ることなどにより、空気の通り道が閉塞され(ふさがれ)、呼吸しにくくなります。また、気管支の先にある酸素を取り込む場所である“ぶどうの房状”の肺胞が炎症によって壊され、酸素と炭酸ガスの交換がうまくいかなくなり、呼吸が苦しくなります。

病初期には呼吸機能の異常は認められませんが、喫煙など有害物質の曝露期間が長くなると、徐々に呼吸機能が低下し、肺での十分な酸素の取り込みが困難になります。

COPDの診断

COPDは喫煙歴や症状などの問診・質問票を用いて疾患を疑います。
胸部単純レントゲン写真や胸部CT画像により肺の構造変化を評価し、さらに呼吸機能検査により閉塞性換気障害(気流閉塞)の有無を確認することで最終的な診断がなされます。

当院では胸部単純レントゲン検査呼吸機能検査がいつでも可能です。

CAT質問票

CAT( COPD assessment test )は症状やQOLに関する8項目を0~40点で評価します。QOLを測定する代表的な質問票であるSGRQ(St. George Respiratory Questionnaire)と相関するために、よく用いられています。

CAT質問票

mMRC質問票

COPDの最も特徴的な症状である呼吸困難は、最初は労作時にみられます。呼吸困難の程度を評価する簡便な方法として、modified British Medical Research Council(mMRC)質問票がよく用いられています。
この質問票は健康状態を評価する他の指標との相関性に優れており、将来の死亡の危険性を予測することもできます。

mMRC質問票

胸部単純レントゲン検査

胸部単純レントゲン検査

呼吸機能検査(スパイロメトリー)

呼吸機能検査(スパイロメトリー)

1秒率が70%未満であればCOPDと診断します。
ただし、喘息などの他の閉塞性障害をきたし得る疾患を除外しなければなりません。

典型的なCOPD患者さんの曲線は、健常者の方と比べて明らかな異常所見が認められます。

総合呼吸抵抗測定装置(MostGraph-02)
→ COPD(慢性閉塞性肺疾患)診療の新しい検査機器

クリニックなのに大学病院レベルのCOPD診療が受けられます!
COPDの治療効果の評価に役立ちます!
検査料はこれまでの呼吸器関連検査と同等レベル

胸部CT検査

胸部CT検査

COPD 患者さんで気腫性変化(肺胞の破壊)強い場合は、CT写真にてその部分が黒く抜けて写ります。

COPDの重症度

重症度(病期分類)は、1期から4期までに分けられます。

1秒率は70%未満で、それに加えて1秒量が正常予測値の何パーセントあるかによって重症度が決まります。

重症度(病期分類)

COPDの治療

禁煙

治療の第一歩は「禁煙」から!

喫煙は呼吸機能を低下させますが、禁煙により呼吸機能の低下を抑制し、死亡率を減少させます。

薬物療法
  1. 気管支拡張薬

    a. 長時間作用性抗コリン薬(LAMA)
    長時間作用性抗コリン薬(LAMA)

    b. 長時間作用性β2刺激薬(LABA)
    長時間作用性β2刺激薬(LABA)

    c. 長時間作用性抗コリン薬/長時間作用性β2刺激薬配合剤(LAMA/LABA)
    長時間作用性抗コリン薬/長時間作用性β2刺激薬配合剤(LAMA/LABA)

    d. テオフィリン徐放製剤

  2. ステロイド

    a. 長時間作用性β2刺激薬/吸入ステロイド薬配合剤(LABA/ICS)
    長時間作用性β2刺激薬/吸入ステロイド薬配合剤(LABA/ICS)

    b. 吸入ステロイド薬/長時間作用性抗コリン薬/長時間作用性β2刺激薬配合剤(ICS/LAMA/LABA)
    吸入ステロイド薬/長時間作用性抗コリン薬/長時間作用性β2刺激薬配合剤(ICS/LAMA/LABA)

    c. 吸入ステロイド薬(ICS) ※喘息合併例に有効で適応となります。

  3. 喀痰調整薬
在宅酸素療法

重症のCOPDでは高度な慢性呼吸不全による低酸素血症のために強い息切れを自覚し、それが原因で歩行困難となり外出できずに「ひきごもり」や「寝たきり」になることがしばしばあります。
酸素療法は症状の改善を認められるだけでなく、生命予後も改善します。

※在宅酸素療法には、健康保険の適応があります。

当院にて在宅酸素療法の治療(導入)が可能です。

在宅人工呼吸療法(換気補助療法)

COPDの在宅人工呼吸療法では、導入が容易で侵襲度の低い非侵襲的陽圧換気療法(NPPV:noninvasive intermitten positive pressure ventilation)を第一選択とされています。主な目的は、呼吸筋疲労と睡眠呼吸障害の改善にあります。

※在宅酸素療法には、健康保険の適応があります。

当院にて非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)の治療(導入)が可能です。

運動療法(歩行・体操)

歩行は呼吸機能を維持するためにとても大切です。無理のない範囲で足腰を鍛え、散歩をたのしみましょう。
呼吸をするために使う色々な筋肉をストレッチする呼吸筋ストレッチ体操は、息切れや呼吸困難をやわらげるのに役立ちます。例えば、腹式呼吸は症状改善に有効な手段です。

運動療法

じっとしていれば、
息切れしないから大丈夫?

COPD患者さんは、息切れを避けるために、無意識のうちに活動性(運動量)を低下させています。しかし、活動性が低下すると体力や筋力が落ち、さらに息切れが悪化するという悪循環が起きます。
その悪循環を断つために、運動療法が重要になります。

栄養療法

栄養療法

COPDの方では栄養障害が認められることが多く、我が国では約70%のCOPD患者さんに体重減少が認められます。
COPDの体重減少は、①呼吸をするために使う呼吸筋の負担が多くなり、常に体力を使う状態が続くこと、②呼吸困難に伴う運動制限による食欲低下や消化管機能の低下など様々な要因が複合的に関与していると考えられています。

食欲がなくても、食事は少しずつでも良いのでしっかり摂ることが重要です。

ワクチン接種

ワクチン接種

COPDの方では呼吸器感染症を代表とする様々な感染症が重症化しやすく、かつCOPDの増悪原因となることから、ワクチン接種(肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチン)が重要です!

当院にて上記ワクチン接種が可能です。予約制なので、まずはご連絡下さい。

COPDの合併症

ACO(Asthma-COPD Overlap):喘息の特徴を併せ持つ病態

診断と治療の手引きが日本呼吸器学会から発刊

喘息とCOPDのオーバーラップ(Asthma and COPD Overlap :ACO)診断と治療の手引き-第1版

COPD患者さんにおいては、喘息の診断目安となる項目(① 変動性(日内、日々、季節)あるいは発作性呼吸器症状(咳、痰、呼吸困難)、② 40歳以前の喘息の既往など)が認められ、かつCOPD以外の合併症が除外される場合には、喘息の合併が想定できます。これらの患者さんでは増悪の頻度が高く、QOLも低く、呼吸機能の急速な低下を示し、予後が悪いことが推定されています。

2014年に海外の喘息最大の団体とCOPD最大の団体(GINA(Global Initiative for Asthma)とGOLD(Global Initiative for Obstructive Lung Disease))の合同委員会は、このような病態を“喘息の特徴とCOPDの特徴および持続性気流閉塞を有する特徴を示す”と定義し、「喘息とCOPDオーバーラップ症候群(Asthma and COPD Overlap Syndrome:ACOS)」と呼称しました。しかし、その後様々な観点から、2017年に同委員会で“症候群”という言葉はふさわしくないため、“症候群”という言葉を外して「喘息とCOPDのオーバーラップ(Asthma-COPD Overlap:ACO)」と呼称することが発表されました。

そして、本邦では2018年に「喘息とCOPDのオーバーラップ(Asthma and COPD Overlap:ACO)診断と治療の手引き」第1版が作成されました。
COPD患者さんに喘息の特徴が加わっていると判断すればACOを疑い、診断基準に合致すれば、吸入ステロイド薬をCOPDの重症度にかかわらず、気管支拡張薬とともに基本薬として投与することを考慮します。

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